E-VE! History
イーベ!のはじまりから
MISSION
はじまりは「猫の手も借りたい!」
イーベ!の誕生と「猫の手も借りたい」という言葉の象徴
2015年、イーベ!のベータ版リリースと初期コンセプト
株式会社フラッグシステムがイベント管理に特化したソリューションとして「イーベ!」のベータ版をリリースしたのは、2015年1月のことである 。同年中に有料版へと移行し、本格的なサービス提供が始まった。この時期、主催者が直面していた最大の課題は、申し込みから受付、当日の案内までの「情報の分断」であった。
サービス名称である「イーベ!」は、「イベント(Event)」という機能的側面と、日本人が肯定的な共感を示す「いいね!」という感嘆語を組み合わせたものである 。これは、単なる事務処理の効率化を目指すだけでなく、主催者と参加者の間にポジティブな体験を創出したいという同社の願いを反映している。「猫の手も借りたい」というキーワードの深層心理
イーベ!が初期から現在に至るまで、公式サイトやランディングページにおいて強調し続けてきたキーワードが「ネコの手も借りたい忙しい主催者さんへ」というフレーズである 。この言葉は、単なるキャッチコピーとしての枠を超え、日本のイベント主催者が抱える特有の心理的負担と物理的限界を的確に言語化したものと言える。
イベント運営という業務は、企画や登壇者の選定といったクリエイティブな側面がある一方で、実際の工数の大半は「申し込みデータの管理」「リマインドメールの送信」「当日の受付」「名簿の整理」といった事務作業に占められる。特に中小規模の企業や個人事業主、あるいは本来の業務を抱えながらイベントを兼務する担当者にとって、これらの作業は「猫の手も借りたい」ほどに切実なものであった。
「猫の手」というメタファーは、日本のB2B(企業間取引)サービスにおいて「圧倒的なリソース不足」に対する救済の象徴として広く用いられている。イーベ!は、この言葉を「システム(道具)」としてではなく「手(支援)」として定義することで、ITツールに不慣れな層の心理的ハードルを下げることに成功した。これは、単なる自動化の提示ではなく、主催者の隣で寄り添い、共にイベントを成功させる「パートナー」としての立ち位置を確立するための戦略的な選択であった。コロナ禍における社会的責任の遂行と「非接触」ニーズへの対応
モチーフとしての「猫」。集まる習性と代表の情熱
イーベ!が「猫」をモチーフに選んだ理由は、ことわざにある多忙さへの救済だけではない。そこには、イベントの本質を捉えた深い洞察が含まれている。
第一に、猫という動物が持つ「集まる」という習性である。野良猫たちが一定の時間に特定の場所に集まる「猫集会」や、冬場に猫同士が体を寄せ合って暖を取る「猫団子」といった光景は、まさにイベントの原点である「人と人が出会い、一つの場所に集う」という行為の象徴として捉えられている。イーベ!は、主催者が人々を安全に、そして心地よく集めるための「場」を支えるツールであり、その親和性が猫というモチーフに込められている。
第二に、創業者であり代表の幡司氏自身の深い「猫愛」がある。代表が個人的に猫を愛好しているという情熱が、ブランドアイデンティティの形成に大きく寄与しており、ツールを単なる無機質なソフトウェアとしてではなく、主催者に寄り添う温かみのある「相棒」として定義する一助となっている。


2021年のリブランディング、信頼の確立と
新たなブランドアイデンティティ
サービス開始から7年を迎えた2021年、イーベ!はロゴマークの刷新とブランドの再定義を行った 。
ロゴに込められた「円滑なサポート」の意志
2021年2月に発表された新ロゴは、頭文字の「イ」を円形に集わせることで、イベントの賑わいをシンボル化したものである 。しかし、そこには単なる賑わいだけでなく、顧客フォロー業務の一環としてイーベ!を組み込む企業が増えた実態を受け、「円滑な業務をサポートしたい」という強い意志が込められている 。
2020年〜2023年の動きは、イーベ!が単なるベンチャー企業の提供する便利なツールから、大企業や自治体も安心して利用できるプロフェッショナルなプラットフォームへと脱皮したことを物語っている。
ユーザー数の推移と市場への浸透度
イーベ!の普及は、2021年以降、加速度的に進んでいる。これは、コロナ禍を経て社会のデジタル化(DX)が不可逆的に進行した結果であると考えられる。
イーベ!が一部のITリテラシーが高い層だけでなく、一般市民の日常生活に深く入り込んでいるという社会的認知の拡大。当時「イーベ!を介した申込みをしたことがある人」が500万人を突破し、この数字は、日本の人口の約25人に1人がイーベ!を通じた体験をしている計算になり、その社会的影響力の大きさを裏付けている。
2025年、新ミッション「なくてはならない」への飛躍
サービス開始から7年を迎えた202株式会社フラッグシステムは、2025年をさらなる変革の年と位置づけている。2025年6月には、コーポレートブランディングを刷新し、新たなMVV(Mission, Vision, Value)を策定した 。
「猫の手」から「なくてはならない」へ
創業初期に掲げた「猫の手も借りたい」という言葉は、主催者の不足を補うという意味で受動的な側面もあった。しかし、2025年に策定された新ミッション「もっと『なくてはならない』をつくる」は、より能動的で社会貢献的な姿勢を示している 。これは、「よかった、助かった」という顧客の共感を原動力に、まだ見ぬ課題を自ら探しに行くという、同社の探究心の表れである。
新ビジョンとして掲げられた「目の前の『よかった、助かった』を原動力に、一歩先の『なんとかしてほしい』を探しに行こう」という言葉には、現場主義の徹底と、技術による未来の先取りという意志が込められている 。
1年、イーベ!はロゴマークの刷新とブランドの再定義を行った 。
ロゴに込められた「円滑なサポート」の意志
2021年2月に発表された新ロゴは、頭文字の「イ」を円形に集わせることで、イベントの賑わいをシンボル化したものである 。しかし、そこには単なる賑わいだけでなく、顧客フォロー業務の一環としてイーベ!を組み込む企業が増えた実態を受け、「円滑な業務をサポートしたい」という強い意志が込められている 。
イーベ!が刻む歴史と未来への展望
イーベ!の歴史は、福岡の小規模なスタートアップが、主催者の「猫の手も借りたい」という切実な声に応えることから始まった。その本質は、単なる効率化ツールの提供ではなく、人と人が出会う「イベント」という場における摩擦を最小限に抑え、共感を最大化することにある。
2015年のリリースから現在に至るまで、イーベ!は決済、アプリ受付、SMS配信、LINE連携と、時代に合わせた機能を絶え間なく追加してきた 。その過程で、コロナ禍という世界的な苦境を「公共インフラとしての成長」の機会へと変え、自治体や行政サービスのDXを牽引する存在へと進化した 。
2025年のリブランディングにおいて示された「余白のある組織」と「なくてはならない価値の創造」という方針は、今後イーベ!がさらに多様な社会課題に向き合うことを予見させる 。主催者の「手」として始まったこのサービスは、今や日本のイベント文化を支える強固なバックボーンとなり、500万人を超える人々の体験を支えている 。
「猫の手も借りたい」という初期の謙虚な支援の精神は、今や「社会になくてはならない」という力強い使命感へと昇華された。デジタル化が当たり前となった現代において、イーベ!が提供し続けるのは、単なるシステムの利便性ではなく、その先にある「よかった、助かった」という人間味あふれる共感の循環である。株式会社フラッグシステムの歩みは、日本の地方発のSaaSが、いかにして全国的な社会変革を実現し得るかを示す、極めて重要なケーススタディと言えるだろう。
\ イーベ!公式キャラクター、意匠に込められたメッセージ /
現在のイーベ!キャラクターは、サービス名「イーベ!」の頭文字である「イ」と、ブランドコンセプトの核である「猫」を掛け合わせたデザインとなっている。さらに、シームレスな柔らかさを輪郭に携えており、
テクノロジーとしてのスマートさと、主催者の想いに寄り添う柔軟な姿勢を同時に表現している。


